お産の時の痛みについて思うこと

みなさんこんにちは。

このHPにたどり着いて下さりありがとうございます。

今回は、お産の時の痛みについてのお話です。ただし、あくまで私の個人的な想いを述べるまでですので批判もあるかもしれませんがお付き合いください。

まず、お産は痛いです!

ただその痛みは本当に個人差が大きくて、もう二度と嫌!と言って本当に二度と出産されない方から、少し辛かったけど「え⁈こんなもの???」ってくらいすんなり生まれてくれたという方もいらっしゃいます。中には、痛みも含めて気持ちいい体験だったという方もいらっしゃいます。

10人いれば10人とも感じ方は異なるのです。なぜでしょうか?

それは、人それぞれ痛みに対する感じ方が違うということと、お産の進み方、お産後のご本人の体の状態、お産の時のサポートの有無にあると思うのです。

同じ方のお産でも、その都度痛みの感じ方は違います。確かに前回の出産は参考にはなりますが今回も同じお産とは限らないのです。

最近は無痛分娩という出産があります。

私は無痛分娩絶対反対ではありません。なぜなら、助産院で本当につらいお産を見ているからです。赤ちゃんの頭が見えてきているのに、どんなに頑張っても出ないお産があります。その時には赤ちゃんが元気なうちに搬送して病院での出産に切り替えるのですが、そういうお産はママさんは本当に痛いものです。なぜなら、赤ちゃんが本来の回旋(産道を通ってくるときに赤ちゃんが頭や体の向きを変える動き)では無いことがほとんどだからです。通らない状態を通すように頑張るからです。それで無事助産院で生まれる方もいますが、やはりつらいお産です。

そんなお産の最中は、この方は無痛分娩だったらこんなに苦しまなくてもよかったのかな?なんて思いが頭をよぎります。

しかし!!!!

そんな痛みを経て無事に赤ちゃんの産声を聞けた時、そこあるのは痛みに対する恐怖でも後悔でもなく産み終えた後の神神しいまでの美しい母と、痛みも含めて全てが一つになる何とも言えない充実感なのです。

以前働いていた助産院の今は亡き助産師の先生は、よくこんなようなことをおっしゃっていました。

「男性のお医者さんはね、優しいから女性が痛がって苦しんでいるのを見ていられないの。だから(医療介入して)なんとかしてあげたくなっちゃう。でも、自然なお産は何もしないほうがいいに決まってる。余分な手を出すからリズムがおかしくなってしまうこともあると思う。女性には自然に産む力があるんだから。私は女性だから女性には厳しいの。アハハハハ。でも、それが本当の優しさなの。」

無痛分娩を推奨する意見の中にみられる「お産を根性論で語るのはいかがなものか?痛みは無くせれば無くすに越したことはない」という考え方。

でも医学的に必要な方は別として、自然な苦難を乗り越えるために頑張ることって人生の中で不必要なものなのでしょうか?

また、無痛分娩することで産後の回復が早くなり早期にお母さんが動ける。とも言われます。

助産院で出産されるママさん達は、会陰のお傷がない場合がほとんどなので産後の回復は早いです。しかし、私はママさん達の体を守るためにしっかりと体を休めることをお勧めします。どんなに楽なお産だって、10か月かけて変化し一人の人間を生み出した体はダメージを受けているはずです。

今はコロナで、熱があるのに無理して出社する人は少なくなったと思いますが、少し前は熱があっても解熱剤で熱を下げ働き続けることが特別では無かったですよね。

そんな世の中でいいのかな?

医学的に必要かどうかの判断をせずに、妊婦さんの希望を叶える形で自然な営みに薬を使い医療介入をする。もちろん、医師が医学的に判断して無痛分娩が必要な方もいらっしゃると思います。その判断をする為の国家資格なのです。ほとんどの医師はそうして日々判断を下していられると信じます。

「根性論ではない」「痛みなんて経験しないほうがいい」「産後の回復が早ければ早期に復職できる」「計画分娩なら産む日を決められる」「海外は無痛分娩が主流で日本は遅れている」

それは、医学的判断というものなのでしょうか・・・?

最近、ファッションのようにネットの中で語られることのある無痛分娩について、違和感を感じる助産師です。